新年 明けましておめでとうございます
昨年11月初旬、各地域の責任者が一同集まり、会社の全体会議を行いました。
その中で報告を受けた各地域(中国、ベトナム、イタリア、日本)の状況や、藤川本人が現地へと足を運んで得た情報を皆様に共有させていただきます。
日本国内では石破政権の発足後、衆院選で歴史的大敗をした自民党は、少数与党となりました。未だに日本への期待が低いのか、円安傾向は継続中。外国人の観光客が増え、インバウンド需要が堅調です。日本の株価や金相場も相変わらず好調でGDPは若干上昇してきておりますが、給料ベースが上がらない状況で様々な税負担が増えており、国民全体の疲弊を感じます。間違いなく国力が落ちている印象です。
イタリアでは、極端な物価高は高止まりをしている状況は継続中ですが、GDPはスペインとポルトガルに抜かれ、イタリア国民の政府への不満は、より一層強くなっています。
観光業ではヨーロッパ各国や、アメリカ大陸からの観光客はよく見かけますが、アジア圏からの観光客はほとんど見かけません。特に中国や日本からの観光客は激減しています。
欧州はロシアとウクライナの戦争や、イスラエルとパレスティナの紛争の影響により、すべての物価が上がりました。今は戦争疲れを起こしている感じで、生活用品以外の消費材にお金をかけられるような家庭が少なくなり、外食産業にも影響が出ています。
中国経済は不動産バブル崩壊が加速し、失業率も上昇し4人に1人が失業しているという状況にまで来ております。特に若者の失業率が顕著で、正社員とは違い、日雇い労働者として、その日暮らしをしている人が増えているようです。
中国は他国に対してのビザ取得の緩和措置が進んで来ていますが、未だ日本とはビザ免除の緩和は無く、時間と手間がかかります。原発処理水放水問題はひと段落がつきましたが、最近では新たに子供殺傷事件の問題が浮き彫りになり、中国国民もこの件に対しては政府に意見がある人も多いようで、日中関係の政治的摩擦だけでなく、中国国内の問題へと一部発展しています。
昨年も同じですが、世界のカバン・バッグ業界は、未だ中国依存を脱却できない現状に変わりはありません。少しずつ世界経済が回復を見せる中、輸出向けの工場はUSドルに対して元安傾向にあるので、原材料の高騰や人件費の高騰を若干抑える事ができているのは国家政策の成果と思われます。しかし、工員の減少や高齢化による人材不足問題は、これから中国が抱える最大のリスクとなるでしょう。
中国経済の低迷は、世界中に影響を及ぼしています。日本からの輸出減少や、不動産価格の下落による銀行の不良債権化などの結果、資金ショートでの倒産が相次いでいます。富裕層の国外への脱出も景気悪化に拍車をかけています。新しいビジネスを始めるにしても、中国政府の圧力や国民所得が上がらない現状では現実味も面白みも無いため、チャンスのある国外へと投資資金が流出中です。
ベトナムにつきましては、観光部門は完全に解放されており、日本から手軽に訪問できる身近な国の一つになっています。
親日国のベトナムは、新ロシア国でもあります。また中国とは共産党の関係で絶妙な距離感を保っています。アメリカとはベトナム戦争後に和解し、今では輸出国として、なくてはならないパートナーです。
今年もベトナムの全ての取引工場を訪問しましたが、コロナによる工員達の離職後、日本側の円安に対して、ほとんどの工場が価格的に対応ができていません。ベトナムは中国との経済競争の中、ベトナムドンの為替の問題や、人件費の高騰の問題、家賃や物価の高騰に悩まされています。
大手ブランドが工場と直接取引する、いわゆる「直貿」は、品質を重視するブランドが多く、ベトナムへのオーダーは増えています。
ベトナムは、アメリカ大統領がトランプになる事により、チャンスしかありません。中国からの輸入品に関税を多くかける話が進めば、ベトナムは中国に変わる受け皿としてトップになる可能性があります。
ベトナムが、カバン・バックの材料を中国に依存する現状は変わりませんが、カバン・バックの生産地候補として、その価値が再注目されています。
ベトナムの対日商品としての問題点は、納期と価格と生産数量です。昨年も指摘させてもらいましたが、中国ビジネスにどっぷり浸かっているカバン・バック業界のお客様は、中国でのビジネスモデルが確立しており、そのビジネスモデルの他国へのシフトが出来ていません。頭の中では中国依存のリスクを感じつつも、値段と納期と生産数量を考えると、第三国への進出に二の足を踏んでいるというのが現状だと思います。
今後の世界情勢を鑑みると、台湾の大統領が親米親日、対中強硬派の頼清徳氏へと変わりました。アメリカ大統領は第二次トランプ政権へと移行するため、中国との関係はそれぞれ微妙な立ち位置を維持しながら進んで行くと思われます。日本も岸田政権から石破政権へと移行し、対中国関係は関係改善が多少されて行くかもしれませんが、不安定な政権のままで、対米関係は今まで以上に厳しい状況になると思います。
そのあたりを考慮すると、日本は中国、台湾、北朝鮮、ロシアと隣接している国なので、有事の可能性も懸念されます。戦争に巻き込まれないようにするにはどうするか?石破政権または今後の政権を担う首相は頭の痛い大きな課題です。
弊社アイパックは現在、中国に8拠点(青島、莱州、日照、巨野(新規オープン)、義烏、広州獅嶺、広州白雲、安徽省六安市)ベトナム2拠点(ハイフォン、ホーチミン)の合計10拠点に加え、2019年はイタリアフィレンツェに事務所をオープンし、2021年6月に兵庫県豊岡市に検品場(豊岡支店)をオープンしました。
また2024年6月から東京浅草橋に事務所を開設いたしました。
東京事務所では青島からの中国人スタッフが常駐し、なかなか海外に出張に行けないお客様に対して日本でのフォローができる体制を構築いたしました。
豊岡支店では、弊社の中心業務である検品・検針(同時殺菌)、防菌剤、消臭剤、乾燥剤の販売に加えて、日本製のカバン・バッグに関するイタリア製や中国製の材料の販売も、新しく始める予定です。
イタリア支店では、ヨーロッパで完結できる新しいビジネスモデルの構築を考えて動いております。もちろんイタリアと日本を結ぶビジネスはやっていくのですが、日本のお客様がイタリアもしくはヨーロッパでビジネスできるお助けができる準備もしていきたいです。
つきましては、今まで支えてくださっているお客様の方々に対する感謝の気持ちを込めて、毎年作成しているオリジナルカレンダーをお送りいたします。(改善要望あれば連絡くださいませ)今年は無駄を少しでも無くす為に事前に必要数量をお聞きしておりました。ご協力ありがとうございます。
怒濤の勢いで世界が変化している最中ですが、当社アイパックは怯むことなく、今年も果敢に、新たな領域へと挑戦し続けます。
2025年、新たなビジネスがお互いに生み出せる事を期待しております。
本年も、貴社と弊社アイパック、共に発展できますよう、心より祈念申し上げます。
日本から中国・ベトナム・イタリアへ世界を繋ぐ
カバン・バック・革小物の国際総合サービス会社
株式会社アイ・パック 代表取締役
イタリアの関連会社 BORSACCO FIORE 代表取締役
藤川 和也
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